「存在の意味」 (剛side) もう、疲れた。 何ていったら光一に怒られるかもしれないけど… この仕事について自分の人生が普通の人の倍以上の速さで進む。 でもこの仕事は大好きで、大好きな人が傍に、隣にいるからどんなにしんどくても、頑張れた。 でもこの世に不可能があるように、自分にも限界ってゆう無理があって、頑張る事に疲れた。 それに僕は最近馬鹿な事を思う。 「どれだけの人が僕を一人の人間として必要と思っているのだろう。」 外には雨が降っていて、高速道路を走る車のライトが雨に濡れて綺麗に光る。 それは今までの自分の人生を振り返させる、走馬灯のようで… 今まで、どれだけの人を必要と思ってきたのだろう… 誰が僕を必要とし、僕は誰を必要としているのか… 今だ答えは見えてこない。 いや、見えてこないのではなくて、見たくないのかもしれない。 それか、見えないのか… 判らない。 だけど、 僕は君だけは言ってくれると願うよ。 君は僕の事を「必要」と言ってくれると・・・・ 君と出会えて、本当に良かったと神にまで感謝している。 (光一side) 『俺がこの世から消えたら、どうなるだろう?』 誰か悲しむ人はいるのだろか? たぶん…居るかもしれない。 でも、その悲しみは一瞬の時で、いつまでも心に俺を留めてくれる人はいるだろうか? ただ、週刊誌とかでその場限りで報道されて、その場限りの悲しみなんて同情以下だって思う。 でもその場限りでも悲しんでくれる人がいるって事は嬉しい事で、幸せかもしれない。 だけどそれは虚しい事でもあって… 俺の事は十年後に話はされるのか?俺はどんな人だったか、語ってくれる人はいるのか? 「そういえば・・・いたなぁ。」 なんて語られる価値かもしれないけど、そんな価値さえない人間かもしれないけど、 それでも自分を求める人を探してて、自分が求める人を追い続けてる。 今、隣で雨を振っている外を見つめる人は俺の大切な人で、 何処かでこの人を求めているかもしれない自分に気づく。 それに気づいたのはだいぶ前で… いや、かなり昔の事で覚えていないけど、兎に角気づいた時は、かなり必要な存在になっていた。 この人じゃないと駄目だって自分では驚くほど感じてしまった。 窓ガラスの雨の雫が、道路に設置している等間隔のライトに反射し、剛の顔が色っぽく見える。 何処でこんな感情を拾ってきてしまったのだろう… |